シリカコーティング用途の一例



(1)半導体用層間平坦化絶縁膜
半導体回路の微細化、高集積化、多層化に伴い、各層間の絶縁と平坦化をおこなうコーティング材(SOG:Spin On Glass)への性能要求が高まっています。ポリシラザン溶液から得られる高純度シリカ膜は、絶縁性、緻密性、平坦性、耐クラック性などの特性に優れるため、高性能のS.O.G材として大手半導体メーカーで採用されています。本用途では、SOGの名のとおりスピンコーターにより施工されています。
 
(2)液晶ディスプレー用アンダーコート(アルカリバリアコート)
STN液晶ディスプレーの信頼性を向上させるため、ガラス基板からのアルカリ成分溶出を防止する必要があります。従来のゾルゲル液は高い焼成温度(〜500℃)を必要とし、ガラス基板の反りや変形が発生しました。また、性能的にも充分ではありませんでした。ポリシラザンは、焼成温度の低温化と優れたアルカリ溶出防止性により、製品歩留まりの向上を可能としました。
 
(3)液晶ディスプレー用オーバーコート(カラーフィルターオーバーコート).
カラーフィルターは最大1ミクロンの凹凸があり、液晶分子をきれいに配行させるためには平坦化膜(オーバーコート)が必要です。従来は樹脂オーバーコートを用いていましたが、真空中で脱ガスが生じるのでITO電極の性能を確保するために、間にスパッタSiO2膜を挟む必要がありました。それ自身が硬いSiO2膜となるポリシラザンオーバーコートは、この工程を省くことが可能です。また、カラーフィルターを劣化させない約200℃でガラス化できる事も大きな利点となっています。
 
(4)液晶ディスプレー用層間絶縁膜
半導体と同様、TFTの層間絶縁膜と平坦化を兼ねた目的でポリシラザンを使用する試みが進められています。
 
(5)各種フィルム
フィルム液晶基板、タッチパネル、偏光フィルム、包装用フィルムなどへ施工することにより、耐擦傷性、ガスバリア性、ITO膜との密着性などの特性を向上させることができます。
 
(6)各種樹脂
樹脂製品の耐擦傷性、防汚性、平滑性、親水性などを向上させることができます。
QGC